User Report 020

2025.10.02

疼痛軽減から排便コントロールまで。物理療法機器の特性を⽣かした多彩な活⽤術

神立病院

神立病院

「地域社会に貢献できる良質な医療と看護・介護を追求し、すべての⼈が満⾜できる病院を⽬指す」を理念に掲げ、幅広い診療科⽬で地域医療を担い、入院から社会復帰までトータルでサポートしている茨城県土浦市の神立病院。今回は、ご⾃⾝も整形外科医である理事⻑の平塚先⽣と、理学療法⼠の冨岡さん、作業療法⼠の宇都木さんに物理療法の活用についてお話を伺いました。

まずは貴院が⼤切にされていることや特⾊、リハビリテーションの取り組みについてお聞かせください。

平塚先⽣1982年に前理事⻑が開設して以来、地域貢献を⼀番に考えて医療に取り組んできました。整形外科から始まって、近隣に内科疾患で⼊院できる病院がなかったため診療科⽬と病床を拡⼤。それに伴い⼿術やリハビリを⾏うための病棟をつくり現在に⾄っています。その中で特⻑的なものとして、肩関節リハビリ、インソール、ゴルフ・スポーツ外来、小児リハビリがあります。他の診療科⽬と同様にリハビリを通して患者さんが無事に社会復帰していただくことが当院としての地域貢献につながると考えています。

冨岡さん当院のセラピストは、手術後の急性期から回復期、その先の在宅までシームレスに介⼊する点が特⾊です。病院の他にもグループ法⼈の施設でデイケアなども⾏っています。患者さんが⽇常⽣活に戻る時まで⼀貫して関わっていけるのも我々の強みだと思います。

宇都⽊さんケアマネージャーさんと密に連絡を取りながら患者さんの在宅時の状況などを把握し、今後の予防も⾒通しながら介⼊できるのは地域密着型の当院ならではの良さだと思います。また、就学後のお子様でも通いやすいように小児リハを地域の中で率先して取り組んでいるのも特色であると思います。

リハビリテーションの様子

今回新たに電気刺激装置を導⼊するにあたって、何が決め⼿になりましたか?

平塚先⽣最初は「電気刺激って意味あるの?」と疑問を持っていましたが、学会で⽴体動態波を体感して衝撃を受けました。体内で“うねる”この感覚は⼀体何だ!?と。私自身、野球で痛めた肩に体感しましたが、痛みがだいぶ軽くなりました。リハビリで疼痛抑制として使えるなと思ったのはもちろんですが、回転刺激モードの説明も受けた際に、便秘の患者さんの排便コントロールに使えそうだと思いました。ご高齢の患者さんは便秘でごはんが⾷べられなくなると、どんどん衰弱してしまいます。また、下剤の量が増えてもきちんと排泄できないと看護の質も落ちてしまいます。そのような課題を抱えていた中で、お腹を動かして刺激を与えられる回転刺激モードも決め手になりました。この機器は1台2役だなと思いました。

平塚圭介 先生

導⼊後、電気刺激装置をどのように活⽤されていますか?

冨岡さん最も使用頻度が多いのは整形疾患ですね。立体動態波モードは急性期の肩や膝の疼痛抑制、むくみの軽減に役立っています。膝の人工関節手術(TKA)を受ける患者さんの手術の前後に使って疼痛軽減することもよくありますね。術後は治療器をワゴンに載せてベッドサイドまで持っていき使用しています。おかげでその後のROMエクササイズや歩行のリハビリテーションにもスムーズに移行できています。

冨岡識嗣 さん

平塚先⽣確かに肩や膝には効果的ですね。患者さんの膝の治りも以前より早くなった気がします。むくみで困っている方も減って、セラピストの徒手の負担軽減にもつながっています。

宇都⽊さんTKA手術後の廃用症候群で顕著な筋萎縮を起こしている方の筋出力を上げるために3D EMSモードを使用することもありますね。また、小児リハビリでも麻痺で筋緊張が高まっている場合や、逆に低緊張で脱力している状態の時にも立体動態波を使っています。肩の拘縮で限定的な場合には超音波治療器を使用しますが、広範囲の場合には立体動態波を使用しています。

宇都木有希子 さん

冨岡さんその他には平塚先生からお話があった排便コントロールに使っています。回転刺激モードをプラスして使うと効果てきめんです。下剤の使用量が減り、患者さんの負担も少なくなりリハビリでのモチベーションも上がるので助かっています。

平塚先⽣下剤の使用量は確かに減りました。同じような効果を望めるのかわかりませんが、今後は排尿障害や過活動膀胱にも使えると良いと思っています。夜間の看護や介護の負担も減らせて、患者さんご自身の睡眠の質向上にもつながるので。

物理療法機器をご使用いただいているセラピストや患者さんの評判はいかがですか?

冨岡さん患者さんの評判は大変いいですね。肩や膝、腰の痛みが軽減されて楽になったとか、5日間便秘だった方が出るようになり、その後の排便リズムも良くなったというお声もいただいています。

宇都⽊さんそうしたお声をいただくことで、私たちセラピストも大きなモチベーションにつながっています。その他にも肩と腰が同時に痛い方や、肩関節ではなく僧帽筋の筋緊張が高い方には2チャンネルを使って同時に治療することができて、時間の短縮にもなって助かっています。導入前は徒手でほぐしていたので患者さんに付きっきりだったのですが、立体動態波を患部に当てている間に別の患者さんにも気を配ったり、他の作業も行えるので業務効率化にもつながっています。

平塚先⽣肩の手術が必要になるかもしれない患者さんに立体動態波を使用したところ、保存のままで治療が済んだこともあります。電気刺激の効果には、あらためて驚かされました。

電気刺激装置 超音波治療器

病院の移転を計画されているとのことですが、リハビリテーションも含めた今後の展開はどのようにお考えでしょうか?

平塚先⽣移転後は2つの柱の強化を考えています。ひとつは透析、もうひとつはリハビリテーションです。セラピストにとっていい空間や機器を整え、さらに楽しみながら施術を⾏える環境をつくります。そうすることで患者さんにとってもより良いものが提供できると思うからです。セラピストは医師や看護師、介護⼠と違い、患者さんと⼀緒に体を動かす職業です。言うなれば院内で活気を⽣むことができる唯⼀の存在といっても過⾔ではありません。彼らがいきいきと楽しく働いてくれたら、きっと患者さんも元気がもらえると思います。もちろんそのためには、それぞれが納得のいく治療が⾏える機能を備えた物理療法機器も必要だと考えています。

神立病院 院内風景

今後、物理療法機器や弊社に期待することはありますか?

平塚先⽣私は整形外科医であると同時に当院の理事⻑でもあるので、俯瞰的にみて機能を制限して安価なものがあれば導入しやすいし、複数台いれる事もできるのではないかとは思っています。実際は現場の使い勝手がどうなのか気になります。冨岡さんと宇都⽊さんは、なにかこうなったらいいなと思うことはありますか?

冨岡さんいま使っている機器で概ね満⾜しているのですが、私たちは⼊院患者さんのベッドサイドでリハビリを⾏うことも多いので持ち運びやすいサイズだと嬉しいですね。また、高齢者で痩せている⽅や筋⾁が萎縮している⽅など、狭い部位にも対応できる導子があると便利だと思います。

宇都⽊さん外来の患者さんなど服を着たまま導子を貼り付ける際、より使いやすくなるよう薄型になるといいなと思いました。立体動態波の導子にもパッドタイプの導子があるそうなので、今後試しに使用してみたいと思います。

平塚先⽣なるほど、実際に使っている者ならではの改善点ですね。私も現場のひとりとして、このインタビューもそうですが伊藤超短波さんにはいつも現場の声に⽿を傾けてくださってありがたく思っています。これからもお互いに知⾒をフィードバックしあいながら、より良い環境をつくっていきましょう。

平塚圭介 先生

PROFILE

平塚 圭介 先生

理事長・整形外科医
2001年昭和大学医学部卒業後、昭和大学救急医学科に入局。その後、近森病院、昭和大学病院救急救命センター、日本赤十字社医療センター、昭和大学藤が丘病院、十全病院、筑波メディカルセンター病院を経て2014年より医療法人 青洲会 神立病院に勤務。整形外科専門医、救急科専門医、日本医師会産業医、高気圧医学専門医、EAGPTセラピスト

冨岡識嗣 さん

PROFILE

冨岡 識嗣 さん

理学療法⼠
2011年神立病院リハビリテーション科に入職。所属班における統括業務や一般病棟にて整形外科術後急性期の患者さんから脳血管疾患、内部障害の患者さんまで幅広くリハビリ業務に従事。

宇都木有希子 さん

PROFILE

宇都木 有希子 さん

作業療法⼠
2008年神立病院に入職。外来リハビリテーションにおいて整形外科疾患や脳血管疾患の患者さんから小児リハビリまで幅広く従事。患者さんファーストをモットーに最適なリハビリテーションを提供している。

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