導入事例

  • 歯科用両側性筋電気刺激装置の
    活用法とこれからの可能性

    User Report 10
    大槻歯科医院

    1983年の開院当初より、障害者(児)の治療、訪問診療(往診)を含む地域に密着した歯科治療を行っている大槻歯科医院。乳幼児や高齢者、有病者患者の歯科医療に対応し、一般歯科医療の他、外来手術、歯列矯正、インプラント、顎関節疾患、補綴咬合治療他、患者様のニーズの多様性を考慮した診療を積極的に取り入れ、地域医療に貢献しています。

  • 大槻歯科医院の外観

歯科用両側性筋電気刺激装置を導入した経緯と、理由をお聞かせください。

藤田先生 従来の歯科用電気刺激装置を使ってきましたが、患者様が少し痛みを感じたり、治療時間が長かったりして、使う機会が減っていました。そんな中、学会で新たに歯科用両側性筋電気刺激装置が出展されているのを見て、痛みも少なく、治療時間も従来の半分以下で済むということで興味を持ちました。一度デモ機をお借りして、実際に使ってみた上で導入しました。導入の理由は、顎関節の痛みや筋痛などにも有効ではないかと感じたからです。

歯科用両側性筋電気刺激装置は、どのような患者様に使われることが多いですか?

川上先生 骨咀嚼筋や顎関節に痛みのある方に使っています。

藤田先生 大学に勤務している時も咀嚼筋痛障害がある時に、歯科用の電気刺激装置を使いながら開口訓練も行っていました。新たに導入した歯科用両側性筋電気刺激装置は、筋痛だけではなく、顎関節の痛みや神経領域にも効果がありそうだと感じています。消炎鎮痛剤や中枢性筋弛緩薬などの投薬療法で十分な効果が見られない場合に併用することもあります。従来のオーラルアプライアンス療法や、他の保存療法と並行して行うことが多いです。

大槻歯科医院 大槻 榮人 院長

開口訓練に電気刺激装置を使用していたとのことですが、歯科用両側性筋電気刺激装置でも、運動療法との併用は行っていますか?

藤田先生 はい。顎関節に痛みのある患者様の開閉口運動の時に併用しています。歯科用両側性筋電気刺激装置で刺激を与えながら、同時に開閉口をしてもらい、その時に痛みの変化の確認も行っています。

開口障害のある患者様は、どのくらい来院されていますか?

大槻院長 当院には日本顎関節学会の専門医・指導医がいるので、開口障害のある患者様はたくさん来院されます。

藤田先生 当一ヶ月間で大体150人弱は来られています。昨年度は年間で、500人強の患者様がいらっしゃいました。

大槻歯科医院 藤田 宏人 医局長

開口障害を抱えている患者様にどのような問題が生じていますか。また、その対応はどうなさっていますか?

藤田先生 関節円板障害や咀嚼筋痛障害、それらの障害が影響する歯痛を訴えられる方もいらっしゃいます。

大槻院長 ソフトレーザーをあてるなど、症状を見ながら別の理学療法を採用することもあります。

藤田先生 当院で特長的なのは、治療手段が豊富にあることです。外科療法も行います。場合によっては、歯科用両側性筋電気刺激装置を外科療法に入る前に使うことや、逆に外科療法を行ってからリハビリの一環として使うこともあります。なかには口を開けることすらままならないほどの強い痛みを訴える患者様もいて、関節手術を施した後でも口が開かない時があります。しばらく顎の筋肉を使っておらず萎縮してしまっている状態だからです。訓練を始めようと思ってもできない時に、歯科用両側性筋電気刺激装置が役立ちます。

川上先生 そうですね。咀嚼筋痛障害のマネジメントはとても大切です。訓練の他にも生活指導も行いますが、理学療法も重要になってきます。顎関節の手術をできても術後に咀嚼筋の障害が残ってしまうこともあるので、それをいかにケアするかが肝心です。症状がある初期だけではなく、長い目でみた治療が必要になります。

大槻歯科医院 川上 哲司 歯科医師

機器の使い勝手についての評価はいかがでしょうか?

藤田先生 歯科用の電気刺激装置は、患部にジェルを塗るなど準備が大変です。患者様の服を汚してはいけませんし。歯科用両側性筋電気刺激装置はそういったことがなく、粘着パッドを貼ってはがしてもベタつかず、本体も小さくて、どこでも持っていけます。チェアサイドで機器を設定しておけば、後はアラームが鳴って知らせてくれます。そういう意味では、使い勝手がよく、本当に助かっています。

大槻歯科医院の内観

大槻歯科医院 大槻 榮人 院長、藤田 宏人 医局長、川上 哲司 歯科医師

機器を導入した事によってメリットはありましたか?

藤田先生 開口訓練を続ける上で、患者様にとってモチベーションになっています。

大槻院長 みなさんの励みになっているよね。

藤田先生 はい。私たちとしても、痛みを感じている患者様に対して何も手段がないのと、歯科用両側性筋電気刺激装置を持っているのとでは治療にあたる時の説得力も大きく変わってきます。

大槻院長 当院では、患者様が少しでも症状が改善してお帰りいただくことを大事にしています。

患者様にとって歯科医院で電気刺激による治療を行うイメージはあまりないと思うのですが、反応や評価はいかがでしょうか?

藤田先生 一定の年齢以上の人だったら、整骨院や整形外科に行かれたこともあり、EMSについてほとんどの方がご存知なので抵抗はないですね。

川上先生 患者様には症状や治療方法を具体的に説明してから、歯科用両側性筋電気刺激装置の使用を勧めています。しっかりとご理解いただいた上での治療を行うので、特に問題はありません。

歯科用両側性筋電気刺激装置の今後の使い道など、どんな可能性があると思いますか?

藤田先生 適用範囲の問題もあって一概には言えないのかもしれませんが、どういう症状に使用すれば良いのか理解できれば、多くの歯科医師に使ってもらえるのではないかと思います。今後は使っていくうちに、この症状には有効だというエビデンスも蓄積されていくと思います。

今後、歯科で応用される物理療法に期待するものはありますか?

藤田先生 顎関節疾患の治療法は、この数十年の間に大きな変化はありませんでした。その一方で、顎関節症患者は大幅に増えています。少しの間だけ痛みを感じて、未治療や予備軍の方もいると思います。そんな方に対して、歯科用両側性筋電気刺激装置などの物理療法は、ひとつの手段として有効なのではないかと思います。学会で顎関節症が取り上げられるようになって日が浅く、歯科医師の間でも詳しい知識を持つ人もまだまだ少ないのが現状です。そんな中で、物理療法に期待する部分は大いにあります。

歯科用両側性筋電気刺激装置をもちいた治療の様子

製品に関するお問い合わせ

TEL:048-254-1012
受付時間:平日9時~17時30分(土・日・祝休み)
E-mail: medhonbu@itolator.co.jp

 

製品に関するお問い合わせ

「導入事例一覧」へ戻る

PAGE TOP